転職を成功させるにあたって、クリアしないといけない一番のポイントは面接ですよね。書類選考を通過した時点で企業はあなたに興味を持ったということですから、少なくともその企業に入社できる可能性は50%あります。あとは面接だけです。
「面接で何回も落とされる」、「転職が初めてで面接が不安」、など面接の時にどのような対応をした良いかわからないという人のために、自己PRの仕方を含めた面接の攻略方法をお伝えします。
本記事の内容
- 面接時の自己紹介について
- 面接ではどんな自己PRが必要なのか
- 自己PRの作り方
- 面接で良い印象を与えるための方法
本記事の信頼性
この記事を書いている私は、会社員時代から新卒・中途の面接官を担当し、独立した今でも年間1000人以上の新卒・中途の面接を様々な業種の企業様で実施しています。
それでは早速ご紹介していきます!
自己紹介・自己PRの仕方
自己紹介と自己PRは違うので順番にご紹介していきます。
自己紹介で伝えるべきこと
自己紹介はあくまでも自分の基本的な情報を伝えるのが目的なので、間違ってもここでダラダラと生い立ちから話したり、長所や短所を話す必要はありません。必ず伝える必要があるのは下記の3点です。
氏名(フルネーム)を伝える
当たり前だと思うかもしれませんが、自己紹介で名前を名乗らない人は結構います。
面接官「自己紹介をお願いします」
応募者「はい、本日はよろしくお願いします。私は現在○○と言う会社で営業をしておりまして、、、、」
と、上記のようにいきなり経歴を話す人もいます。緊張もあるかもしれませんが、必ず自分の名前は名乗りましょう。面接前の最初の挨拶時に名前を伝えていたとしても、面接がスタートして自己紹介をする時には、「改めまして○○○○と申します」と名前を名乗るようにしましょう。
職務経歴を簡潔にまとめて伝える
現職もしくは離職中の人は前職で何をしていたのかを簡潔に伝えましょう。簡潔に伝える中で、実績などのアピールを入れられると良いでしょう。職歴がたくさんある人はこれまでの仕事を要約して説明すれば大丈夫です。長々と1社づつ説明する必要はありません。
最後の締め
最後の締めはケースバイケースですが、志望動機≒転職理由なのでその辺を含めつつアピールできれば良いと思います。なぜこの仕事に興味を持ったのか?この会社のどこに惹かれたのか?などです。
文面例
「今回はこれまでの経験が御社の事業の○○なところに貢献できると思いましので応募させていただきました」
「今回は元々御社のサービスが好きで興味があったのと、御社でなら今よりも仕事のレベルアップと人間的な成長ができると思ったので応募させていただきました」
自己紹介のポイントと例文
面接が始まったら面接官から、「それでは早速ですが面接を始めます。まずは簡単に自己紹介をお願いします」という流れが多いです。ポイントと例文をご紹介します。
ポイント
- 伝えるのは要点だけ。自己紹介は1分以内にまとめましょう
- 事実をありのまま伝えましょう
自己紹介が長いと、「話が長い人だな」、「話をまとめられない人だな」、「論理的思考力が低いな」と思われ、ここから挽回するのは至難の技です。
文面例
「○○○○と申します。本日はよろしくお願いいたします。大学を卒業後、○○という会社に新卒で入社しました。これまで一貫してBtoBの営業をしてきまして、自社商品である○○を導入していただくための営業をメインに行なってきました。2年前からは部署長として10名の部下を持たせていただき、プレイングマネージャーとしてマネジメントと個人の営業を行っています。最初は両立させるのに苦労しましたが、今では毎月、個人と部署の両方で目標達成をしています。今の会社でも仕事は充実しているのですが、今回は御社の求人を拝見しまして、自分自身のさらなるステップアップが期待できると思ったのと、これまでの経験が御社の営業でも必ず活かせると思ったので応募させていただきました。本日はどうぞよろしくお願いいたします。」
どんな自己PRが必要なのか?
自己PRとは、あなたの性格や長所・強みを伝える事です。企業側からすると「この人はどんな性格で、うちの会社ではどんな活躍ができるのだろう?」と言うことが知りたいのです。
では、どんな自己PRができれば成功なのでしょうか?結論から言うと、ずばり、「その企業が求めている人物像とマッチしているかどうか」です!
いくらあなたが優秀な人材でも、その企業のニーズにマッチしていない人物なのであれば選考には通りません。あなたが志望する企業がどんな社風でどのような人物を求めているのかを事前にインプットしておきましょう。転職エージェントに登録していれば、その辺りのことはレクチャーしてくれるので必ず相談しましょう。そこが転職エージェントを利用する最大のメリットでもあります。
ポイント
- その企業の社風や求める人物像を事前にチェックしておきましょう
- その企業に合わせた自己PRの文面を用意しましょう
自分の長所を伝える時は、その企業が求めている人物像に合った長所をアピールする必要があります。例えば、スピード感のあるベンチャー企業が、「臨機応変に自分で考えながら率先して行動してほしい」と思っているのに、「自分はコツコツ仕事をすることが得意で、指示されたことを忠実にこなす真面目な性格です」とアピールしても刺さりません。このようにあなたの長所が企業の求めてる人物像とマッチしていないとアピールにはならないのです。
自分のアピールポイントが分からない場合はリフレーミングを活用しましょう!
リフレーミングとは同じ物事でも人によって見方や感じ方が異なることで、見方によっては「長所」にも「短所」にもなるということです。
例えば、「自分は口下手で無口な人」と思っていても、人からは「落ち着いていて物静かな人」と思われるてるかもしれません。このうような代表的なリフレーミング事例をご紹介します。
リフレーミング前 | リフレーミング前 |
飽きっぽい | 好奇心旺盛 |
いいかげん | おおらか・こだわらない |
意見が言えない | 協調性がある・思慮深い |
陰気 | 冷静・落ち着いている |
おしゃべり | 社交的・活発 |
落ち込みやすい | 真面目・物事を深く考える |
落ち着きがない | こまめに動く |
おとなしい | 穏やか・考え深い |
かたい | まじめ |
頑固 | 意思が強い・信念がある |
気分屋・気まぐれ | こだわらない・ハマったら一気にやり通す |
口下手 | うそがつけない・聞き上手 |
暗い | 思慮深い |
自信がない | 受容的・共感的 |
集中できない | 視野が広い・気が回る |
消極的 | 冷静・慎重 |
調子にのりやすい | ノリがいい・雰囲気を明るくする |
八方美人 | 人づきあいが上手・溶け込みやすい |
マイペース | 自分らしさを持ってる・信念がある |
優柔不断 | 他人の意見を尊重する |
このような事例を参考に、その企業が求めている人物像に合いそうなPR文面を作りましょう。また、常に前向きで逆に短所の文面が作りづらいという人は、長所だと思う点を1つ短所として文面を作ってみましょう。
文面例
【集中力がない場合】私は視野が広く、急に動きが変わっても臨機応変に対応できます。
【優柔不断・自分では決められない】私は常に周囲の意見を尊重し、個人の利益よりもチームの利益を優先してきました。
【まじめ】まじめな性格ですが、その分逆に短所として少し固いかなと思う所があります。
面接官は、世の中に短所や欠点がない人はいないと思っているので、短所を聞かれたときに「短所はありません」という回答はなしです。短所と思っていなくてもここは謙虚になって、最低でも1つは短所の文面を用意しておきましょう。そうすると、「自分のことをよく分かってる人だな」と思われて印象が良くなります。
第一印象を良くする方法
面接時の受け答えや自己PRの前に、大前提として面接では好印象を与えないといけません。人の印象は3秒で決まるとよく言われます。それほど、身だしなみや初めの挨拶、表情などは大切です。相手は無意識で好感が持てる相手かどうかを判断してしまいます。
第一印象を良くするのは難しい事ではありませんので、最低限下記の2点を心がけましょう!
清潔感
これはどんな面接官でも必ずチェックします。清潔感のない服装や髪型は必ずマイナスポイントです。スーツのシワが多い、シャツがよれよれ、靴が汚いなどはすぐに分かります。また、髪にフケが溜まってたり(肩にフケが落ちてる人もいます)、寝癖やボサボサにしている髪型も清潔感がないという印象を与えます。今は私服やオフィスカジュアルな企業も増えてきてるので服装にはうるさくないですが、面接で着ていく服に迷ったらスーツが無難です。
あとは匂いにも気を使いましょう。衣類がカビ臭かったり、体臭や香水がキツいのももちろんマイナスな印象になります。
挨拶や表情、姿勢は大切
挨拶は心を込めて行いましょう。
「おはようございます。○○と申します。今日はお忙しい中お時間いただきましてありがとうざいます」
「今日はわざわざこちらの時間に合わせていただいてありがとうございます」
など、その状況に合わせて自然に言うべきセリフが一番相手に伝わります。少し笑顔も意識すると尚良いでしょう。挨拶でおじぎをする時に首だけ下げる人をたまに見ますが、しっかりと腰から下げましょう。また、姿勢も大切です。背筋をピンと伸ばして、面接の後半になってもその姿勢を保てるようにしましょう。姿勢が良いだけで、「この人は真面目そうだな」「しっかり仕事ができそうだな」といった好印象を与えることができます。
これらの清潔感や挨拶・姿勢などはリモート面接でもしっかり見られてますので、油断せずにしっかり意識して面接に臨みましょう。第一印象を良くする事で、当然好印象として加点されるメリットがありますが、もう一つ、その後の面接もやりやすくなるという利点があります。
面接官も人間なので、第一印象が良いと「この人のさらに良いところを見つけたい」という心情になり、第一印象が悪いと「この人のダメなところを探そう」という心境になります。それによって当然質問の仕方も変わってきます。これは私が見てきた面接官の仕事をしている人間がすべて思ってる事なので間違いありません。